厨房機器

ホシザキ業務用縦型冷凍冷蔵庫の選び方

飲食店において欠かせない業務用冷凍冷蔵庫ですが、高価な機器のため失敗しないように選びたいものですよね。今回は縦型業務用冷蔵冷凍庫の選び方とともに、国内トップメーカーのホシザキの縦型業務用冷凍冷蔵庫のご紹介を致します。

業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違い

使用する冷蔵庫を選ぶ際「お店は小さく座席数も少ないので家庭用で十分ではないか」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫では主に4つ異なる点があり、ほとんどの飲食店では業務用冷凍冷蔵庫を使用しています。まずは違いについて確認していきましょう。

  1. 素材
    業務用冷蔵庫は強度の高いステンレスでつくられています。
    飲食店の厨房では、調理中に発生する水蒸気や油や煙が充満してしまいます。
    そのため錆びにくく、耐熱性の高いステンレスを使用することで、高温多湿な環境でも食材を傷めることなく保管することが出来るのです。
  2. 設計
    業務用冷蔵庫は家庭用冷蔵庫に比べてサイズが大きいのですが、その分お掃除やメンテナンスがしやすい設計になっています。またまとめて食材を仕入れて冷蔵庫や冷凍庫に保管する際には、食材の重さもありますので家庭用冷蔵庫では対応しきれない場合があります。そのため業務用冷蔵庫ではたくさんの食材をいれても重さに耐えられるよう、頑丈な網棚を設置しているので、安心して保管が出来ます。
  3. 容量
    家庭用冷蔵庫の容量は50ℓ程の小さなものから大きくても500~700ℓ程になりますが、
    業務用冷蔵庫では小さなもので70ℓから1000~1600ℓ以上ものもがあります。食材は一度まとめてに仕入れる飲食店様が多いかと思いますので、仕入れた食材を状態良く保管するためにもある程度容量のある冷蔵庫が必要になります。
  4. 形状
    業務用冷蔵庫には主に縦型と横型の2種類があります。
    今回ご紹介する縦型は形状としては家庭用と同じですが、大きさやドアの枚数といった仕様が大きく異なります。

いかかでしょうか。
たとえ小さな店舗であっても、家庭に比べ食材もドリンクも取り扱う種類も多く、まとめて仕入れをおこなうことで材料費を下げることが出来るため実施している場合が多いですよね。そのため初期コストはかかりますが耐久性や収納力の面から業務用冷蔵庫をほどんどの飲食店では採用しています。また最近は省エネタイプの業務用冷蔵庫の性能も上がり、昔に比べると維持費を抑えることが出来る様になっています。

業務用縦型冷凍冷蔵庫とは

業務用縦型冷凍冷蔵庫とは、その名の通り上下にドアがついている冷凍庫または冷蔵庫になり、冷凍と冷蔵両方の機能を兼ね備えた機種もあります。縦に2段ドアが並んでいるタイプや、2段×2列で合計4ドアあるタイプ、2段×3列で合計6ドアあるタイプなどがあり、機種によって冷凍庫や冷蔵庫の位置や数が異なります。幅600㎜のスリムなタイプから幅1800㎜のワイドなタイプとバリエーションが豊富なので、設置スペースに合わせて選ぶことも可能です。またコールドテーブルのように作業台はありませんが、省スペースでたくさんの食材を保管出来るため、厨房が狭い場合にもおすすめです。

業務用縦型冷凍冷蔵庫の選び方

業務用縦型冷凍冷蔵庫を選ぶ際には①取り扱う食材の種類と量②設置スペース③作業動線④排水・電源の位置の4つを確認して決めていきましょう。

  1. 取り扱う食材の種類と量を確認しよう
    飲食店といっても業種により提供する食事や飲み物は様々で、取り扱う食材もお店によって異なりますよね。また店舗の規模によって一度に食材を仕入れる量も異なります。そのためお店によっては冷蔵機能メインで冷凍機能はそこまで容量が必要ない場合や、冷凍食品の取り扱いが多いのでそこそこ冷凍機能の容量も確保したいと、必要になる機能や容量は変わってきます。取り扱う食材の種類や量を確認することで、必要になる機能や容量がわかり、だいたいどのサイズの機種がいいか絞られてくるかと思います。また選ぶ製品によって冷凍、冷蔵の容量が異なりますので必ず確認しておきましょう。
  2. 設置スペースを確認しよう
    希望するものを選んで購入したが、思っていたよりも大きくて設置出来なかったといったお話も伺います。
    業務用縦型冷凍冷蔵庫は高さはどのメーカーもだいたい1900㎜になっており、幅や奥行の組み合わせでいくつかのパターンが存在しますので、設置したい場所に収まるかを確認しましょう。(※ホシザキでは高さは1910㎜に統一されています。)
  3. 作業動線
    サイズを測ってピッタリなものを選んでも、実際使ってみるとドアの開閉がスムーズにいかない、人が通れないといったトラブルが発生することも。そのため必ず設置した場合の作業動線を考慮し、問題なくスムーズに作業をおこなうことが出来るのか確かめましょう。例えばホシザキの縦型業務用冷凍冷蔵庫ではドアの数が製品によって異なります。少ないもので2ドア、多いもので6ドアになり、2ドアの方が開閉にスペースが必要になります。また冷蔵庫の開け閉めが多い場合には、その都度庫内を冷やすために電力を消費します。作業動線を考え、開け閉めすることが多い場合にはドア数の多いものを選ぶ方が節電に繋がりますよ。このように些細な違いですがその違いにより作業動線、作業効率にも影響しますので、必ず確認しておくようにしましょう。
  4. 排水、電源
    家庭用冷蔵庫と違い業務用冷蔵庫では排水を処理する機能がついていないため、排水工事が必要になります。
    ただし排水工事が出来ない場合には、強制蒸発皿を取り付けることで排水工事が不要になりますので、設置する際には確認しましょう。また業務用冷蔵庫では100Vまたは三相200Vのどちらかの電源が必要になります。どの電源が必要か、どこへ繋ぐか、確認しておきましょう。

ご自身のお店で取り扱うメニューやお店の規模や厨房で作業する人数などによって、必要な機能やタイプが変わってくることを確認していただけたでしょうか。作業効率や商品提供のスピードがお客様満足度にも繋がる飲食店では、働きやすい厨房作りというのは重要になります。また高価な業務用冷蔵庫、せっかく選ぶなら満足のいくものを選びたいですよね。次はホシザキで現在販売されている縦型業務用冷凍冷蔵庫の紹介と機能面からおすすめの業種などにも触れながら説明いたします。

ホシザキ業務用縦型冷凍冷蔵庫の紹介

現在ホシザキの業務用縦型冷凍冷蔵庫で一番新しいのが2018年販売の「Atype」になります。こちらは2005年販売の「Xtype」よりも省エネ率が冷蔵タイプで約54%、冷凍冷蔵タイプで約50%、冷凍タイプで約52%と、大幅に電気代を削減出来るようになりました。家庭用に比べると維持費のかかる業務用冷蔵庫、電気代が少しでも節約出来る省エネタイプは魅力的ですね。また一目で庫内の状態がわかる表示パネルや、ドアの半開きを防止するオートクローズドアにより、適切な食材の温度管理が可能になっています。

ホシザキ業務用縦型冷凍冷蔵庫の種類

業務用縦型冷凍冷蔵庫は主に①冷蔵庫②冷凍庫③冷凍冷蔵庫の3つのタイプにわけられます。どれも奥行は650㎜または800㎜の2タイプで、幅は625、750、900、1200、1500、1800㎜とバリエーションが豊富です。幅900㎜以上になりますとドアが4枚~6枚仕様になり、さらに大きな食材の出し入れがしやすいワイドスルー仕様になっている機種もありますので厨房に適した一台を見つけることが出来ますよ。

厨房の狭い飲食店には…

幅700㎜以下の冷凍冷蔵庫がおすすめ
2ドア仕様のシンプル設計の幅625㎜または700㎜タイプは厨房が狭い場合にも省スペースで設置可能です。使用する食材が少ない、またはコールドテーブルと併用する場合には幅625㎜の冷蔵庫:HR-63AT、冷凍庫:HF-63AT、冷凍冷蔵庫:HRF-63ATがコンパクトかつ収納力は抜群です。上記機種では少し容量が足りないといった場合には、幅700㎜の冷凍冷蔵庫:HRF-75ATは冷凍冷蔵どちらの機能もついていて容量もありますのでバランスが良くおすすめです。

カフェ、喫茶店には…

幅700㎜以下の冷凍冷蔵庫がおすすめ
カフェや喫茶店といったドリンクの提供がメインの飲食店では冷蔵機能のみあればよい場合もあるかと思います。その様な場合にはスリムで場所を取らない冷蔵機能のみの縦型冷蔵庫HR-63AT、HR-75ATがおすすめです。またドリンク以外にアイスクリームや軽食提供の際冷凍食品を提供している飲食店では冷凍機能もついた冷凍冷蔵庫HRF-63AT-EDは、スリムながらどちらの食材もしっかり収納出来ます。

居酒屋、ファミリーレストランなどには…

幅900~1800㎜冷凍冷蔵庫がおすすめ
居酒屋やファミリーレストランでは取り扱うメニューが豊富でありながら、厨房はスペースが限られているかと思います。取り扱う食材も多いので恐らく冷凍冷蔵どちらの機能も必要な場合が多いかと思いますので、容量もあり使い勝手も良い中型から大型の冷凍冷蔵庫タイプがおすすめです。またこのあたりのサイズになると4ドアの冷凍1室・冷蔵3室あるいは4ドアの冷凍2室冷蔵2室と、冷凍や冷蔵の容量が違い、食材の量に合わせて適したものを選ぶことが出来ます。幅1500㎜のものでは、4ドアの冷凍2室冷蔵2室(HRF-150AFT3)や6ドアの冷凍2室冷蔵4室(HRF-150AFT-6D)と、仕様の異なる機種もありますよ。

病院や保育園、学校等の給食施設などには…

幅1500~1800㎜冷凍冷蔵庫、パススルー冷凍冷蔵庫がおすすめ
一度に数十人から数百人単位で食事を提供するような給食施設では、食品管理や衛生管理を徹底しており、下処理室と調理室といったように作業内容で部屋が別けられていますよね。そのため皮を剥いたり、洗って消毒した食材を移動させるだけでも大変です。その様な施設では両側から出し入れが出来るパススルー冷凍冷蔵庫は非常が便利です。
またパススルー冷凍冷蔵庫を選ぶことで、持ち運びする際衣服に付着した気づかない汚れを調理室に運んでしまう等のリスクも減少します。冷蔵庫は幅625㎜のHR-63CA-2D2Dから幅1800㎜のHR-180CA-6D6Dまで、冷凍庫は幅625㎜のHF-63CA-2D2Dから幅1500㎜のHF-150CA3-4D4Dとサイズ展開も豊富です。また下処理室のみあるいは調理室のみで使用する場合には通常の冷凍冷蔵庫を、その場で保管する食材の用途に合わせて選ぶこともおすすめです。

ホテルや旅館などには…

幅1500~1800㎜冷凍冷蔵庫、ガラス扉冷蔵庫、三温度冷凍冷蔵庫がおすすめ
ホテルや旅館になるとその地域ならではの食事や、豪勢な食事を用意されているかと思います。そのため取り扱う量だけでなく管理する食材の種類や保存法もたくさんありますよね。ガラスビラ冷蔵庫は名前の通り、冷蔵庫の扉がガラスになっているため開けなくても中に何がどれだけ入っているか瞬時に確認が出来ますので、足りないものの準備や進捗具合を判断出来、作業効率が上がります。お客様のお食事に合わせて料理を提供するため、この少しの手間の差はとても大きいかと思います。また三温冷凍冷蔵庫は冷凍1室冷蔵3室の冷凍冷蔵庫で、3室ある冷蔵室の温度帯が部屋ごとに異なるため、食材に適した温度帯でそれぞれ別けて管理することが可能です。ホシザキでは奥行650㎜のRFH-120AT、RFC-120AT3または奥行RFC-120A、RFC-120A3の4機種が販売されています。

バイキング形式の食事を提供する飲食店などには…

幅1500~1800㎜冷凍冷蔵庫、カートイン冷蔵庫がおすすめ
カートイン冷蔵庫は大量の食材をカートごとに別けて、カートごとそのまま冷蔵庫に収納できる仕様になっています。例えばカットした食材をそれぞれ用途別にトレーに移してカートを冷蔵庫にしまっておき、必要なタイミングでカートごと移動させることでサッと調理にとりかかることが可能です。バイキング形式の飲食店や食堂などではお客様の要望に応じて急いで一度にたくさんの料理提供が必要になるため、このカートイン冷蔵庫は非常におすすめですよ。ホシザキではHRR8-87CAをはじめ6種類のカートイン冷蔵庫を販売しています。

パン屋、製菓店などには…

幅900~1500㎜冷凍冷蔵庫、トレイ棚冷蔵庫、牛乳保冷庫がおすすめ
パンやお菓子を提供する飲食店におすすめのトレイ棚冷蔵庫とは、冷蔵庫にトレイが収納できるようになっているため、生地を作る際や作ったお菓子を冷やす際などにサッと収納出来ます。また必要なタイミングでトレイごと必要な量を取り出して提供または調理にとりかかることが出来るため省スペースに収納が出来て作業効率向上も計れます。幅が625㎜のHF-63A-TYまたはHF-63A3-TY、幅1200㎜のHF-120A-TYまたはHF-120A3-TYの4種類あります。
牛乳保冷庫とはその名の通り牛乳専用の冷蔵庫になります。パン屋やお菓子作りによく用いられる牛乳は適切な温度での管理が必要であり、大量に保管するとなると場所にも困りますよね。幅750㎜のMR-75CA3をはじめ、幅1800㎜までと種類が多いので厨房の設置スペースや保管する量に合わせて適切なサイズを選ぶことが出来ますよ。

いかかでしょうか。
この様にホシザキでは業務用縦型冷凍冷蔵庫といっても様々なタイプがあり、取り扱う食材の種類や量に応じて選ぶタイプが変わってきます。ご自身のお店で提供するメニューや、提供する際の厨房に立つ人の数や動線を把握したうえで、厨房のスペースや設置するための設備に不足がないかを確認し、働きやすい厨房作りを目指しましょう。