飲食店やホテル、施設内の厨房で必ず必要になる製氷機。氷にこだわりがあったり、少量しか使用しない場合には氷屋から購入することもありますが、小規模でもほとんどの飲食店で使用しています。メーカーや種類も様々でどのように選べばいいのかわからない、そもそも製氷機についてわからないといったお客様いらっしゃいませんか。今回はその様なお客様に向けて製氷機国内トップメーカーのホシザキの製氷機をご紹介、選び方のポイントをご案内致します。
製氷機とは
ホシザキでは全自動製氷機といい、自動で氷を作り、作った氷を貯めておいてくれる機械になります。ただし氷を作るといっても、氷には使用する用途により形や製氷法が異なるため、製氷機にも種類がたくさんあります。製氷機を選ぶ際には主に①氷の種類②製氷機のタイプ③製氷能力④設置スペースを考慮し決めていきましょう。
①氷の種類を知ろう
飲食店で使用する氷には主に8種類あり、氷を利用するシーンやメニューによってどの氷が自分の店舗には必要なのか考えてみましょう。
キューブアイス
一辺が3㎝前後のキューブ型(立方体型)の氷でダイアアイスと呼ばれることも。透明度が高く溶けにくいので、主にドリンクに使用したり、カキ氷や食材を冷やすためにも使用したりと幅広く活用出来ます。飲食店では「氷は〇個入れること」とスタッフにわかりやすく伝えやすいので、扱いやすいのがポイントです。
ハーフキューブアイス
一辺が1.4~2㎝前後のキューブアイス。一つ一つのサイズが小さいため子どもや女性が多いお店におすすめです。
フレークアイス
ガラスの破片のような見た目で、厚さは2㎜ほどと小さく、低コストでたくさんの量が製氷可能です。粒が薄くて小さいため、食材を痛めることなく素早く冷却出来るので、鮮魚や肉など食材の冷却用として主に使用されます。
チップアイス
フレークアイスを固めて作った氷のこと。こちらも低コストでたくさんの製氷が可能です。表面積が大きいため他の氷より溶けやすくなっています。料理の演出をかねたアイスヘッドとして活用(鮮魚など)したり、冷却用やドリンクとしても活用出来ます。またコップなどに入れるとシャラシャラと音がして清涼感があります。
異形アイス
様々な形をした氷があり、ホシザキの製氷機にはハート形の氷(型番:IM-55M-1-H)や星形の氷(型番:IM-55M-1-S)、三日月形の氷(型番:KM-12F)など様々なバリエーションがあります。料理やドリンクの見栄えがよくなり、目でみて楽しむことが出来ます。
丸氷
球体形の氷になります。溶けにくく表面積が大きいため、ドリンクの味を保つことが出来るので、お酒を取り扱うバーなどでよく使用されます。ホシザキでは約4.5㎝ほどの丸氷を製氷する製氷機(型番:IM-55-M-1-Q)があります。
ブロックアイス
角氷や貫目氷ともいい、カット次第でカキ氷やかちわり氷、丸氷にもなり、多用途に活用出来ることが利点です。大きいサイズは通常の業務用製氷機では製氷できないので氷屋から購入することが一般的ですが、ホシザキではレンガ程の大きさの氷を作る製氷機(型番:BM-80WC)もあります。また通常のキューブアイスより大きくブロックアイスよりは小さいビックアイスを作る製氷機(型番:LM-250M-1、LM-350M-1、LM-550M-1、LM-350M-1-103S)などもホシザキにはあります。
純氷
氷屋の作る氷のことでカルキなどの不純物が入っていない氷になります。透明度が高く、不純物を含まないため、氷自体の味はなく、食材の味を損なうことがないのが利点ですが、手間暇をかけて丁寧に作られるため高価なためコストがかかります。氷には様々な種類があり、氷によっては利用シーンが限られるものや、反対に幅広く活用出来るものがあります。ご自身の店舗のドリンクやメニューまたは利用されるお客様を想定して絞っていくと良いと思います。次に製氷機のタイプについてご説明いたします。
②製氷機のタイプを知ろう
ホシザキ製氷機には6つのタイプ(形状)があります。店舗の規模や、厨房の使い方などを考慮して選んでいきましょう。
卓上タイプ
コンパクトなデザインでカウンターなどわずかなスペースにも設置が可能なタイプ。自宅用やレジャー用として使用されることも多いです。
アンダーカウンタータイプ
壁面にぴったりと設置出来、コールドテーブルや作業台などと天板の高さをそろえることが可能なタイプ。そのため天板部分を作業スペースとして有効活用することが出来ます。
バーチカルタイプ
氷の取り出しがが簡単で、貯氷庫一体型の縦長タイプです、小規模飲食店から中型店まで幅広く対応しています。腰をかがめることなく楽に作業することが出来ます。長時間厨房に立つと足や腰にかかる負担を少しでも減らすことが出来、氷を取り出すストレス軽減に繋がります。
大型バーチカルタイプ
高い製氷能力と省スペース化を備えた大容量の製氷機。現在の取り扱いは製氷能力230㎏(型番:IM-230M-1)のみになります。
スライド扉タイプ
名前の通り扉がスライド式のタイプで開閉にスペースが不要です。場所をとらないため手狭な厨房にも非常に便利に使用できます。
スタックオンタイプ
製氷ユニット(氷を作る機械のこと)と各種ストッカー(作った氷を保管する場所)の組み合わせが可能なタイプです。製氷量や貯氷量を変更したい場合にも、新しい製氷機へ丸ごと買い替えることなく、ユニットを買い替えることで自由にお店の規模にあった製氷機へカスタマイズできます。小規模や厨房がとにかく狭いといった場合には作業導線や効率効率に配慮してアンダーカウンタータイプやバーチカルタイプ、スライド扉タイプが選ばれることが多いです。また大型の店舗、ホテルや施設内の厨房や、中型店舗でも今後店舗の拡大を視野にいれている場合には、規模に合わせて変化出来るスタックユニオンタイプもおすすめです。
ここまでで自分のお店で利用する氷や店舗に合わせたタイプを少しはイメージして絞られてきたでしょうか。
次は製氷能力についてご紹介しますので、実際1日にどの程度の大きさの製氷機が必要なのか検討していきましょう。
③製氷能力について知ろう
製氷能力とは製氷機が1日に何㎏の氷を作ることができるかを表したことをいいます。ホシザキでは日産製氷能力と記載されており、小さいものですと12㎏から大きいものは1200㎏と幅広くあります。そのためご自身の店舗で1日にどれほどの氷を使用するのか考えてみましょう。
製氷能力は店舗の席数を目安に考えよう
店舗内で氷を作る場合、使用する製氷機の目安は【製氷量=座席数×1.5】とされています。例えば座席数30席のお店の場合、30席×1.5=45㎏になり、一日45㎏ の製氷能力のある機種を選ぶと良いかと思います。しかし上記はあくまでも目安になります。ドリンク提供の多い居酒屋や喫茶店などでは、多く氷が必要になることが考えられますので計算よりも少し多めに製氷能力のある1サイズ大きい機種を選ぶ方が安心です。反対にドリンク提供の少ないラーメン屋といったお冷以外に氷を使用する事が少ない店舗では、1サイズ小さくても問題ないと考えられます。
一度に大量の氷が必要になる場合には貯氷量も確認しよう
先程は座席数を目安に製氷能力を考えることについてご説明しましたが、製氷能力はあくまでも製氷機が1日をかけて作ることの出来る氷の総量になります。つまり居酒屋などの飲み放題メニューがあるお店や、お昼が非常に込み合いお客様の出入りが激しいといった、ドリンクが一度にたくさん必要になる時間帯には場合によっては氷が足りなくなることも想定されます。氷が不足して困ることの無いよう、一定時間に大量の氷が必要になる場合には製氷機の貯氷量の確認もしておくとよいでしょう。
貯氷量とは、作られた氷がストッカーに保管できる量のことをいい、ホシザキ製氷機では自然落下時貯氷量と最大ストック量が記載されています。自然落下時貯水量とは、貯氷を続けて氷が落下口を塞いで製氷が停止するまでの貯氷量のことを示します。最大ストック量とは、自然落下する貯氷では氷が山の形にたまっていくので、貯氷庫が満杯になる前に氷の山を平らにしてより多くの氷がたまるようにした貯氷量のことを示します。
例えばホシザキの製氷能力25㎏のIM-25M-1という機種は、自然落下時約8.5㎏、最大ストック量約14㎏となっています。つまり氷を作りはじめてそのままにしていると貯氷量が約8.5㎏までくると製氷は停止状態なり、貯氷庫を平らにしながらでも約14㎏までしか貯めておくことはできません。一度に多くのお客様が来る時間帯がある場合にはこの貯氷量もしっかりと確認し、氷不足にならないか検討して製氷機を決めるとよいかと思います。
設置スペースに合わせて選ぼう
今まで氷の種類、製氷機のタイプ、製氷能力をふまえた選び方について説明してきましたが、せっかく選んだ機種が厨房内に置いてみたらイメージと違った、大きすぎで思うように設置できなかったとなると大変です。購入前に必ずサイズを確認し、設置可能かを判断しましょう。また製氷機は設置場所の近くに給排水出来る設備が必要になりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
サイズをはじめ容量ごとにいくつか機種をまとめました。ホシザキではたくさんの製氷機を取り扱っています。貯氷量などについても確認したい方はしっかりと調べてから購入する製氷機を決定してくださいね。
いかかでしょうか。ざっとまとめてもホシザキには様々な用途に合わせて使うことが出来る製氷機があります。①アイスの種類②製氷機のタイプ③製氷能力④設置スペースの4つのポイントを考慮して、お店に最適な製氷機を検討してくださいね。
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